「工事中、家にいないといけないの?」「何日かかるの?」「どんな順番で作業するの?」
外壁塗装を初めて依頼する方が必ず気になるのが工事の流れです。工程を知っておくことで、手抜き工事を見抜くことができ、業者とのトラブルも防げます。
私は25年間、外壁塗装の現場に携わってきた一級建築塗装技能士です。この記事では全工程を写真を撮るように詳しく、かつ「ここで手抜きをする業者がいる」という現場の裏側もお伝えします。
⚠️ 工程を知らないと手抜き工事を見抜けません
まずは工事内容が明確な業者を複数比較することが重要です。
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外壁塗装の標準的な工期
一般的な30〜35坪の住宅で外壁塗装のみを行う場合、工期は7〜14日間が目安です。
| 工事内容 | 工期の目安 |
|---|---|
| 外壁塗装のみ | 7〜10日 |
| 外壁+屋根塗装 | 10〜14日 |
| 外壁+屋根+付帯部 | 14〜21日 |
雨天の場合は工事が中断されるため、梅雨時期(6〜7月)は工期が延びることがあります。「雨でも関係なく作業します」という業者は品質より工期を優先している可能性があるため要注意です。
全工程を徹底解説
STEP 1:足場設置(1日)
工事の最初は足場の設置から始まります。安全な作業環境を確保するための重要な工程です。
職人目線のポイント: 足場が不安定だと作業の品質が下がります。「足場なしで工事します」という業者は論外です。外壁塗装では足場は必須であり、足場代を省いた見積もりには必ず別途請求が発生します。
足場設置の際にメッシュシートも張られます。塗料の飛散による近隣への迷惑を防ぐためで、これも優良業者の基準の一つです。
STEP 2:高圧洗浄(1日)
高圧洗浄機を使い、外壁全体の汚れ・カビ・コケ・旧塗膜の浮きを除去します。この工程は塗料の密着性を高めるために非常に重要です。
手抜き業者がよくやること: 洗浄時間を短縮して汚れが残ったまま塗装に進むケースがあります。汚れが残った状態で塗装すると、数年で塗膜が剥がれてきます。
標準的な洗浄時間は30坪の住宅で3〜4時間程度です。1時間もかけずに終わる業者は要注意です。
STEP 3:下地処理(1〜2日)
高圧洗浄後に外壁の状態を確認し、必要な補修を行います。これが塗装工事の中で最も重要な工程と言っても過言ではありません。
主な下地処理の内容:
ひび割れ補修(クラック補修) 0.3mm以上のクラックはシーリング材やパテで充填します。これを省くと雨水が浸入し、塗装後も劣化が進み続けます。
コーキング(シーリング)の打ち替え 窓枠・サッシ周り・外壁のつなぎ目のコーキングが劣化している場合は打ち替えます。古いコーキングを撤去してから新しいものを充填するのが正しい手順ですが、「増し打ち」(上から重ねるだけ)で済ませる業者もいます。増し打ちは耐久性が低くなるため、必ず「打ち替え」かどうかを確認してください。
ケレン作業 旧塗膜の浮きや錆びを削り取る作業です。金属部分(雨樋・笠木など)では特に重要です。
STEP 4:養生(半日)
塗装しない部分(窓・玄関ドア・エアコン室外機など)をビニールやテープで保護します。
職人目線のポイント: 養生が雑だと塗料が窓ガラスやサッシに付着してしまいます。養生の丁寧さは職人の品質意識を反映しています。工事初日の養生を見れば、その職人の仕事の丁寧さがわかります。
STEP 5:下塗り(1日)
いよいよ塗装の工程に入ります。下塗りは上塗り塗料と外壁面の密着性を高めるための工程です。使用する塗料は「プライマー」または「シーラー」と呼ばれます。
手抜き業者がよくやること: 下塗りを省いて中塗りから始めるケースがあります。下塗りなしでは上塗り塗料が密着せず、早期に剥がれの原因になります。見積もりに「下塗り」の項目があるかを確認してください。
STEP 6:中塗り(1日)
メインの塗料(シリコン・フッ素など)を1回目塗ります。下塗り後に十分乾燥させてから行うのが正しい手順です。
職人目線のポイント: 各塗装工程の間には適切な乾燥時間(通常8〜24時間以上)が必要です。乾燥時間を短縮して翌工程に進む業者は手抜きです。工程の間に「今日は乾燥待ちです」という連絡があるのは、むしろ良い業者のサインです。
STEP 7:上塗り(1日)
同じ塗料を2回目塗ります。これで「中塗り+上塗り=2回塗り」になり、下塗りと合わせて「3回塗り」が完成します。
3回塗りが絶対条件な理由: 2回塗りでは塗膜が薄く、耐用年数が大幅に短くなります。25年の現場経験で、「2回塗り」の手抜き工事の手直しを何度も依頼されてきました。見積もりに「下塗り・中塗り・上塗り」の3工程が明記されているか必ず確認してください。
STEP 8:付帯部の塗装(1〜2日)
外壁以外の部分(雨樋・軒天・破風板・窓枠・シャッターボックスなど)を塗装します。これらを「付帯部」と呼びます。
職人目線のポイント: 付帯部の塗装は外壁より手間がかかるため、省略・手抜きされやすい部分です。見積もりに付帯部の内訳が記載されているか確認してください。
STEP 9:点検・手直し(半日)
全塗装完了後、施工担当者が仕上がりを確認します。塗り残し・ムラ・垂れなどがあれば手直しします。
職人目線のポイント: この工程を省く業者もいます。工事完了後に施主と一緒に仕上がりを確認する業者は誠実です。「施主に確認させない」業者は要注意です。
STEP 10:足場解体・清掃(1日)
足場を解体し、周囲を清掃して工事完了です。
工事中に施主がやること
**工事中に家にいる必要はありません。**ただし以下の場合は在宅が必要になることがあります。
- 工事初日の足場設置立ち会い
- 下地処理の確認(業者から連絡がある場合)
- 完成時の仕上がり確認
工事中に確認すべきこと(手抜き発見チェックリスト)
□ 高圧洗浄に十分な時間をかけているか(30坪で3時間以上)
□ コーキングは「打ち替え」か「増し打ち」か
□ 下塗り→乾燥→中塗り→乾燥→上塗りの順序を守っているか
□ 各工程の間に十分な乾燥時間を取っているか
□ 付帯部(雨樋・軒天など)も丁寧に塗装しているか
□ 完成後に施主と一緒に仕上がりを確認してくれるか
🔍 工程を明確に説明できる業者かどうかが選ぶ基準
見積もりに全工程の内訳が書かれている業者を選びましょう。
まとめ
外壁塗装の標準的な工程は以下の10ステップです。
足場設置→高圧洗浄→下地処理→養生→下塗り→中塗り→上塗り→付帯部塗装→点検手直し→足場解体
特に重要なのは「下地処理の丁寧さ」「3回塗りの徹底」「各工程間の乾燥時間の確保」の3点です。これを守らない業者は手抜き工事をしている可能性があります。
工程を理解しておくことが、手抜き工事を防ぐ最大の武器です。
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