現在日本の新築住宅の約7割がサイディング外壁です。外壁塗装を検討する際に「うちのサイディングってどう塗装すればいいの?」と迷う方が多いですが、サイディングにも種類があり、対応が異なります。
私は25年間、外壁塗装を手がけてきた一級建築塗装技能士です。窯業系・金属系・木質系・樹脂系の各サイディングについて、現場での実体験をもとに解説します。
⚠️ サイディングの種類によって最適な塗料と工法が異なります
サイディングの種類と特徴
① 窯業系サイディング(最も普及)
セメントと繊維質を混合して成形したボードで、現在の新築住宅の約70%に使用されています。デザインが豊富で価格も手頃なため最も普及していますが、10〜15年で塗膜の防水機能が低下し、塗り替えが必要になります。
現場で最も多く扱うサイディングです。塗装の際の注意点は2つ:
- 目地コーキングの打ち替えを必ず行う:窯業系サイディングは複数のボードをつなぎ合わせているため、目地(継ぎ目)のコーキングが必ず存在します。コーキングの耐用年数は外壁塗料より短い7〜10年のため、塗装工事と同時に打ち替えることが重要です。コーキングだけ劣化して雨水が浸入するケースを現場で多く見てきました。
- 透湿性塗料を選ぶ:窯業系サイディングは内部に水分を含みやすい素材です。透湿性のない塗料を使うと内部の湿気が逃げられず、塗膜が膨れる原因になります。
② 金属系サイディング(ガルバリウム鋼板など)
スチールやアルミを加工したサイディングで、軽量・高耐久が特徴です。近年増加しており、ガルバリウム鋼板を使ったものが多いです。
金属系サイディングの塗装で注意すること:
錆の処理が最重要:金属面は小さな傷や加工端部から錆が発生します。塗装前の錆の除去(ケレン作業)と錆止め塗料の下塗りが絶対に必要です。ケレン作業を省くと錆が塗膜の下で広がり、数年で再発します。
素地調整の重要性:金属面は塗料が密着しにくいため、素地調整(表面を軽く傷つけて密着性を上げる処理)が必要です。この工程を省く業者に注意してください。
③ 木質系サイディング
木材を使ったサイディングで、自然な風合いが特徴です。鎌倉・逗子などの歴史的なエリアや和風の住宅に多く使われています。
木質系サイディングは特別な注意が必要: 木材は水分を吸収・放出するため、塗膜が剥がれやすい素材です。通常の塗料ではなく「木部専用の浸透性塗料」を使うのが正しい選択です。また紫外線による劣化が早いため、耐候性の高い塗料を選びましょう。
現場での経験: 木質系サイディングに通常の外壁用塗料を塗ってしまい、2〜3年で塗膜が浮いてきたという相談を何件も受けてきました。木部への塗装経験が豊富な業者を選ぶことが重要です。
④ 樹脂系サイディング
塩化ビニール樹脂で作られたサイディングで、塗装が不要なことが特徴です。ただし破損した場合の補修は難しく、日本ではまだ普及率が低いです。
サイディング別の塗り替え時期の目安
| サイディングの種類 | 塗り替え時期の目安 | 特に注意するサイン |
|---|---|---|
| 窯業系 | 10〜15年 | チョーキング・コーキングの割れ |
| 金属系 | 15〜20年 | 錆の発生・塗膜の剥がれ |
| 木質系 | 5〜8年 | 色あせ・木材の反り・割れ |
| 樹脂系 | 塗装不要 | 破損・変色 |
💡 サイディングの種類を業者に伝えて最適な塗料を提案してもらう
見積もり時に確認すべきポイント(サイディング別)
窯業系サイディングの場合
□ コーキングの打ち替えが含まれているか
□ 透湿性塗料を使用するか
□ 目地の状態(打ち替えか増し打ちか)を確認しているか
金属系サイディングの場合
□ ケレン作業(錆除去)が含まれているか
□ 下塗りに錆止め塗料を使用するか
□ 素地調整の内容が記載されているか
木質系サイディングの場合
□ 木部専用塗料を使用するか
□ 木部塗装の施工実績があるか
□ 下地処理(腐食部の補修)が含まれているか
❌ サイディングの種類を確認せずに画一的な見積もりを出す業者は要注意
まとめ
サイディングの種類によって、最適な塗料・工法・塗り替え時期が異なります。
最も普及している窯業系サイディングでは「コーキング打ち替え」と「透湿性塗料の使用」が重要です。金属系では「ケレン作業と錆止め下塗り」が必須。木質系では「木部専用塗料」を使う業者を選んでください。
見積もりを取る際は、お宅のサイディングの種類を業者に伝え、種類に応じた対応ができるかを確認しましょう。
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