外壁塗装の見積もりを見ると「コーキング打ち替え」「シーリング補修」という項目が出てきます。「これって必要なの?」「増し打ちと打ち替えって何が違うの?」という疑問を持つ方が多いです。
私は25年間、外壁塗装の現場で働いてきた一級建築塗装技能士です。コーキング(シーリング)は外壁塗装と同様に重要なメンテナンスで、ここを手抜きされると雨漏りの原因になります。 この記事では現場の実態を含めて詳しく解説します。
⚠️ コーキングの手抜きは雨漏りの原因になります
コーキング工事の内訳が明確な業者を選ぶために、まず複数社を比較しましょう。
コーキング(シーリング)とは何か
コーキングとは、外壁のつなぎ目・窓枠・サッシまわりなどの隙間を埋めるゴム状の充填材のことです。「シーリング」とも呼ばれ、意味はほぼ同じです。
コーキングの役割:
- 雨水の浸入を防ぐ防水機能
- 建物の動き(地震・温度変化による膨張収縮)に追従する緩衝機能
- 外壁材のつなぎ目から雨水・風が入るのを防ぐ気密機能
コーキングは外壁塗料と同様に経年劣化します。一般的な耐用年数は7〜10年程度ですが、神奈川の海沿いエリアでは塩害で5〜6年での劣化も見られます。
打ち替えと増し打ちの違い:現場で見た実態
コーキング工事には「打ち替え」と「増し打ち」の2種類があります。
打ち替え(推奨)
古いコーキング材をすべて撤去してから、新しいコーキング材を充填する方法です。手間と時間がかかりますが、耐久性が高く本来あるべきメンテナンス方法です。
打ち替えの手順:
- カッターで古いコーキングを切り込みを入れる
- ペンチで古いコーキングを引き抜く
- 残った古いコーキングをヘラでかき取る
- 目地の両端にマスキングテープを貼る
- プライマー(接着剤)を塗布
- 新しいコーキング材を充填
- ヘラで平滑に仕上げる
- マスキングテープを剥がす
増し打ち(避けるべき)
古いコーキングを撤去せず、その上に新しいコーキング材を重ねる方法です。作業が簡単で費用が安く見えますが、耐久性が著しく低くなります。
増し打ちの問題点:
- 古いコーキングと新しいコーキングの間に空気・水分が残る
- 古いコーキングの劣化が進むと新しいコーキングも一緒に剥がれる
- 目地が厚くなりすぎて美観が損なわれる
- 耐用年数が打ち替えの半分以下になることがある
現場で見てきた実態: 25年の経験で、増し打ちで施工されたお宅の3〜4年後のリフォームを何度も依頼されてきました。「打ち替えより安かったから頼んだのに、すぐ剥がれた」という相談は後を絶ちません。
❌「増し打ち」で安くする業者は要注意
見積もりに「打ち替え」か「増し打ち」かが明記されているか確認してください。
コーキング材の種類と選び方
コーキング材にも種類があり、使用箇所によって適切なものが異なります。
| 種類 | 用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| 変成シリコン系 | サイディング目地・窓枠 | 最も一般的・塗装可能 |
| ポリウレタン系 | モルタル・コンクリート目地 | 弾性が高い |
| アクリル系 | 室内・小さな隙間 | 安価だが耐候性低い |
| 高耐候型 | 塩害地域・南面 | 耐久性が高い |
重要なポイント: 塗装前に使用するコーキング材は必ず「塗装可能(ノンブリード)タイプ」を選ぶ必要があります。通常のシリコン系コーキングは塗料をはじくため、塗装できません。25年の現場で、「塗装できないコーキング材を使ってしまった」という手直し案件を何件も経験しています。
見積もりでコーキング工事を確認するポイント
□ 「打ち替え」と明記されているか(「増し打ち」ではないか)
□ コーキングの施工箇所(窓枠・目地・サッシなど)が記載されているか
□ 使用するコーキング材の種類が記載されているか
□ コーキング材は「ノンブリードタイプ」か
□ 塩害エリアなら「高耐候型」が指定されているか
まとめ
コーキング(シーリング)は外壁塗装と同様に重要なメンテナンスです。
最も重要な点は「増し打ちではなく打ち替え」を選ぶことです。安い見積もりの背景に「増し打ち」が隠れているケースは非常に多く、数年後に雨漏りや剥がれが発生する原因になります。
見積もりに「コーキング打ち替え」と明記されているか、必ず確認してください。
✅ コーキング工事の内訳が明確な業者を選ぶなら
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